【連載】修士論文審査に落ちましたが、なにか? Vol.6
第6回 〔シリーズ〕とりあえずやってみた。-その1「多読」
〔前提知識〕
≪文献3点セット≫
①金子租税法(出来るだけ最新版)
②コメンタール消費税法(改正税法のすべて○○年版)
③消費税法基本通達逐条解説(平成元年版・平成16年版・平成19年版・平成26年版)
≪論文執筆のための速読法≫
(定義は、細川健(2020年)の定義を引用)
①多読法:全体を把握するために、構成、重要な要素を確認しながら読む(1頁/1秒)
②通読法:執筆する論文に関連する重要な要素を抜き出しながら読む(1頁/3~10秒)
③精読法:②を行いながら段落ごとのまとめを行いながら読む(1頁/30秒)
留年した反省点として、仕事を辞めたので時間が十分あると考えた点が大きい。失敗談として断言しよう。時間はあってもなくても、書ける人は書ける。つまりは私の考え方がポンコツだったということである。
基本、参考文献をテーマに絞って、5本ほど用意して読む。理解しようと読むが、「読むこと」は「書くこと」という目的のための手段であって、決して目的にしてはならない。しかし、読むごとに法律論文の独特な難解さにいつの間にか「手段の目的化」が始まっている。共感されたそこのあなた、危険です。
ここで少し考え方を改めてみた。「論文を書き上げる」ためには、たくさんの文献を読むことが必須条件だが、まずは書かないことにはイメージはあまりわかない。むしろ、なんでもよいので書くべきだ。訳が分からないまま、分からないから書かないと私のようになること間違いなし。
よって、書くために読むということを念頭において、1本につき6回読む手順を変えてみた。
①1回目:マッピング(目次からマインドマップを作成して全体像をイメージしやすくする)
②2回目:概略読み(太字や小見出しに意識しつつ、ページ全体を見る感じで流し読みをする)
とりあえず、ここまでやったら、他の文献に移って10~20本を目標に回す。
20分/本x10本=3.3時間
20分/本x20本=6.6時間
※熟読しようとすると1本で2時間から3時間位費やすので、1本から執筆案が3行書けると考えれば、20本読んだ場合、最低でも60行書けることになる。これに接続詞やら、自分の意見を足せばさらに増えるはずだ。実際に書き始めるのは、20本を1周した後の3回目~4回目の多読からにすることにする。
③①~②を最低5本~最大20本回す。
④3回目:通読(テーマに必要な要素を抜き出すために読む)
⑤4回目:通読(テーマに必要な要素を抜き出すために読む)
⑥④~⑤を最低5本~最大20本回す。
⑦論文の執筆をする。(文献から抜き取った要素から書けることから書く。それぞれの関連性はとりあえず無視する。)
⑧5回目:精読(書いた内容との齟齬がないかの確認)
⑨6回目:精読(書いた内容との齟齬がないかの確認)
※時間配分を気にしないと時間だけが無駄に過ぎることになるので、まずは決めた時間内に読み切る時間配分を心がける。
自分の大学院の書式は40文字x40行(1,600文字/頁)なので、1頁半ができることになる。分量は50,000文字以上(約32頁)のため、毎日繰り返せば、45頁分が出来上がる。
先日4月から入学してくる前の職場の後輩が、他の大学院ではあるゼミで5人中4人留年したという話をしていた。うちの大学院でも半分近く留年するゼミが出たようなので、論文を書き上げることができない人は多いようである。
≪本日のポイント≫
「とりあえず書く。」
最初から精度の高いもの書けていれば、こんなことにはなっていないと割り切りたい。
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